88株式会社 川上です。 私は、重度の「自分でやった方が早い病」でした。ちなみに、この病名は小倉広さん著『自分でやった方が早い病』から拝借しています。良書ですのでぜひ機会あれば読んでみてください。
この病やまいは病名のとおり、「こんなことなら自分でやった方が早いわ・・」と、ついつい作業の手やダメ出しの口を出して、無意識のうちに部下から仕事を奪ってしまう行動癖を指します。この病の治療が難しいところは、発症原因に、悪気がないどころか、正義が詰まっているというところです。頼んだ相手に大変な思いをさせたくないから良かれと思って、締め切りがある仕事だから仕方がなく、出来る人がいないので自分がやらなければ誰がやる、そういう気持ちから、無意識あるいはやむにやまれずの理由から、発生しているという点にあります。
つまり、誰だって本当は部下に任せたいし、自分でなんでもかんでも抱えたくて抱えたい訳ではないけれど、お客様がいて、締切がある仕事である以上、仕方がないのです。この病に侵されている人は、みんな、こんな風に思っています。私自身もまったくその通りに考えていました。
当時、そんな私を見かねて多くの人が意見をしてくれていました。
『やらせないと部下は育たないよ』
『部下だって失敗から学ぶから』
『社長なんだから、社長本来の仕事に集中しなきゃダメだよ』
そう言われるたびに、仰る通り、と意見は聞いていましたが、それでも私の病は治りませんでした。なぜか? だって、やり方がわからない人に『やっておいてよ』と頼むことは、それは依頼でもなんでもなくて、ただの丸投げになるし、そんな丸投げで人は育つとは思えないし、と思っていました。もちろん、やり方を教えている時間なんてその時の私にはありません。
そして、以前の職場での私の周囲には(今や化石化した“昭和のど根性”を使って、私自身は、自分でなんとかしてきたように)自分で調べて、誰かに聞いて、出来ないことも、知らないことも、なんとかしてやろう! という人材はいませんでした。どちらかというと、指示してもらったことは、ちゃんとやってくれるけれど、ワークライフバランス重視であまり残業はしたくない、定時で帰ることを前提にしている、といった人が多かったのです。私は当時も今もそのことは悪いとは全く思っていません。定時内で仕事を完了させるのが最良であることは間違い有りません。
しかし、そういった方には、新しいこと、やったことがないことを頼むときには、必ずやり方を教えてあげなくてはならず、でも、私には教えてあげる時間はないという悪循環になってしまい、どんどん、私だけが仕事を抱えていくという状況になっていきました。
今回の作文は、このあたりで終わりにしておきます。これから、当社サイト内のお知らせコーナーをつかって、
・私が、この会社でやろうとしていること
・ミギウデ人材を通じて役に立ちたいと思っていること
の背景などを、これから数回に分けて、私の経験を通じてここに書いておこうと思います。
つまり、私が、どうしてそんな重度の「自分でやった方が早い病」になってしまったのか?
そして、そこからどうして改善していったのか? などなど。これからもぜひ、お付き合いください。